
2015年1月から、相続税の基礎控除額が引き下げられました。改正前は5,000万円+(1,000万円×法定相続人)だったものが、改正後に3,000万+(600万円×法定相続人)となり、仮に法定相続人が3人だとすると8,000万円から4,800万円へと以前の60%になってしまいました。基礎控除額が引き下げられたということは、相続税が増税されたということです。今まで相続税を払う必要がなかった方も、相続税の支払いの対象となる可能性が高まりました。
日本では、相続税の対象となる資産の半分近くが不動産であるといわれています。言い換えると、不動産を有効活用すると同時に、相続税対策を考えていくことがとても重要であるということです。
土地活用の方法とそれぞれのメリット・デメリット
土地を所有しているが何も活用していない、その場所を自宅などの居住用に使う予定はない、などの場合、どのような活用方法があるでしょうか。
・土地の売却
土地を売却するのも土地活用の立派な方法です。メリットは売却によって現金化が可能、資産の組み換えができるという点があります。デメリットは、土地からの収益機会の喪失や譲渡税、売却に係る費用の発生などがあります。
・賃貸アパート、マンション経営
メリットは収益機会の確保、優遇税制の活用などがあります。デメリットは慣れない人にとっての運営上の煩わしさ、空室リスク、建物の経年劣化リスクなどが挙げられます。
・駐車場経営
メリットは少額の初期投資で始められる、駐車場で始めてその後の転用が容易だということがあります。デメリットは、税制上のメリットや高い収益は望めないということです。
・事業展開のための活用
事業展開のための活用とは、たとえばコインランドリー経営などを想定します。そのメリットは上手くいけば収益性が見込まれる、デメリットは初期投資が高額、事業のリスクがあるなどです。
・定期借地
メリットは税制上の優遇措置がある、借入による負担はないことが挙げられます。デメリットは用途が長期間固定されてしまう、住居用ではない収益源が地代なので、アパート建設に比較すると、収益性は落ちるなどです。
・等価交換
共同事業者が建設資金を出資し、土地と建物を出資比率に応じて取得します。メリットとして資金が無くても土地活用が可能で譲渡税の優遇措置があることです。デメリットは土地所有権が出資比率に応じた持ち分となる、減価償却が取れないなどです。
この中でも近年人気が高いのが、「賃貸アパート、マンション経営」です。その理由としては、高収益が望める、税制上の優遇が各種受け取れるなどがあります。
土地活用の失敗する要因
土地活用を進めるうえで考慮しなくてはならないことは、その土地の持つ特性を良く把握するということです。
たとえば、駅から遠い土地で周りの人口が減少し続けるような場所であれば、アパート、マンション建設に向いているとはいえないでしょう。土地活用には、個々の物件それぞれに向き、不向きがあります。総合的に考慮して、地主さんにとって最も望ましい活用方法を検討する必要があります。
また、土地そのものの持つ特性だけでなく、地主さん自身の特性も考慮に入れなければなりません。土地は持っていても現預金が少ないなどの場合、初期投資のかかる土地活用はなかなか難しいということになります。
リスクを最小限にするために押さえるべきこと
上に挙げた土地活用の方法の中で、売却を除きそれぞれに係るリスクがあります。空室リスク、賃料下落リスク、建物の経年劣化リスク、金利上昇リスク、入居者リスクなど、リスクの大小はあってもすべての土地活用について回ります。
それぞれの方法については、当然知識が必要となります。また、法律や税制は毎年のように変わります。自分だけでは、問題を解決するのが難しい場面も出てくるでしょう。その時は頼りになる不動産会社とパイプを作っておき、必要なときにプロに相談する体制作りも大切となります。もちろん、自身も知識を吸収してできるだけリスクを最小限にできるように事前準備をすることも大切です。自身の知識のレベルアップと、頼れるプロのバックアップを受けながら、ぜひ土地活用を成功させてください。
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