不動産投資とREIT。徹底比較

question
(写真=Billion Photos/Shutterstock.com)

不動産投資というと多額の資金が必要で、リスクもあるのではないかと思っている人もいるでしょう。確かに、ある程度のまとまった資金が必要となりますが、皆さんが想定するほど多額の資金がなくても、不動産投資を行うことは可能です。

特にREITに関しては数万円から数十万円での投資が可能なため、不動産投資の手始めとしては行いやすいです。とはいえ、不動産投資とREITへの投資は異なるものです。そこで、不動産投資とREITを徹底比較し、それぞれの特徴、メリット、デメリットについて解説していきたいと思います。

REITとは一体何か?

REITとは、不動産投資信託のことです。不動産投資信託は、多くの投資家から資金を集め、その資金をもとに商業ビルや住宅などに投資します。そして、これらの不動産から得られる家賃収入や売買益を投資家に分配します。

特に、日本でつくられた不動産投資信託は「J-REIT」と呼ばれています。証券取引所に上場しているのが特徴で、売買することが可能です。株式取引と同じように指値注文、成行注文を行うことができ、信用取引による注文も可能です。

REIT投資のメリットとしては、以下の三つを挙げることができます。

1. 高配当であること
2. 流動性が比較的高いこと
3. 購入価額が通常の不動産投資に比べて低いこと

まず、高配当について説明しましょう。J-REITでは、利益の90%以上を投資家(実際には投資主といいます)に分配する場合には、法人税が課税されない仕組みとなっています。この仕組みを生かし、投資家は利益に法人税が課されないものを分配金として受け取れるため、分配金は通常の株式投資の配当金に比べて高いくなります。

二つ目の流動性が高い点については、REITの特徴ともいえます。これは、売買が行いやすいということを示しています。なぜならば、証券取引所に上場しており、投資家の売買が日々行われているからです。ただし、あくまでも通常の不動産投資と比べると流動性が高いという意味であり、必ずしも意図した価格で売買できるとは限りません。

三つ目の購入価額がお手頃な点も、REITの特徴といえるでしょう。数万円から数十万円で購入できるため、不動産投資の手始めとして、分散投資の一環として行うことが可能といえます。

一方で、REITにはデメリットも存在します。それは、株式と同様、日々価格が変動することです。買ってすぐに損失発生といった事態になる可能性もあります。分配金も確約されたものではないため、場合によってはゼロになるリスクもあります。

また、運営する不動産投資法人が倒産したり、上場廃止によって投資金額が無価値になったりすることもあり得ます。市場環境にもよりますが、十分注意すべき点です。

不動産投資のメリット、デメリットとは?

一方で、不動産投資はどうでしょうか。実はREITとは裏返しといえるかもしれません。不動産投資ではある程度まとまった資金が必要となります。不動産は同じものがあるわけではないため、すぐに売買できる場合もありますが、場合によってはいつまでも売れないというリスクがつきまといます。

空室となった場合には家賃収入が得られません(ただし、アパートなど1棟投資の場合には、1部屋空室でも他がうまっていればある程度収入の確保が可能です)。

こうしたリスクはつきものといえるものの、REITのように無価値になることはありません。物件がある限り価値がゼロになることはないわけです(ただし、火事による消失はリスクのため、火災保険や地震保険には加入すべきだといえます)。

それぞれの特徴を把握して賢く投資していこう

いずれも不動産に投資を行う点は変わりません。実際に不動産を所有して家賃収入を得たいのであれば、現物の不動産投資を行う必要があります。単純に値上がり益や分配金が欲しいのであれば、REITは有力な選択肢です。それぞれ一長一短なので、ご自身にとってどのように運用することが効率的かつ効果的なのかしっかり検討し、賢く投資を行っていきましょう。

>> アパート経営の魅力を詳しく調べる

【オススメ記事】
アパート経営でトクする土地活用 知っておきたいメリット4つ
初心者必見、はじめての賃貸経営で気をつける4つのポイントとは
アパート経営で低い空室率を維持するための秘訣とは?
賃貸経営の節税に対して知っておきたい3つの方法
実は保険効果と年金効果がある!! 賃貸経営の本当の魅力とは