押さえておこう!アパート経営で経費にできるもの

(写真=wutzkohphoto/Shutterstock.com)

アパート経営に限らず、自営業で利益を上げるためには「経費の使い方を工夫する」というテクニックが必要です。しかし頭ではわかっていても、うまく経費を使いこなせていないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、節税対策として押さえておきたいアパート経営の経費について説明します。

経費にできる費用はこんなに幅広い

アパート経営で経費にできるものは租税公課や損害保険料、委託管理費、修繕費、減価償却費、借入金利子、手数料などがあります。

この場合の租税公課とは固定資産税や不動産取得税、登録免許税、印紙税、事業税などをさします。この他、ローン返済額のうち利息相当分や、アパート経営のために購入した図書・新聞費、税理士や不動産業者との交際・飲食費、物件運営のための交通費、電話代などの通信費、外注費(確定申告を外注した場合の税理士への報酬、トラブル発生時の弁護士費用など)も、経費として計上できます。

修繕費の取り扱いに注意

ここで注意しておきたいのは修繕費に関する取り扱いです。入居者の退去に伴う内装工事やエアコンや給湯器など、設備交換にかかった費用は修繕費として計上できます。

一方で、原状回復のためではなく、物件の価値を引き上げるために実施した修繕費用は、減価償却していく必要があり、定められた期間で分割して計上します。このような支出は資本的支出と呼ばれます。

経費にできない費用も押さえておこう

次に、経費にできない費用をみていきましょう。基本的に、経費にできないものは不動産にかかる費用のうち、自宅を対象とするものです。例えば、自宅の損害保険料や自宅部分の光熱費などは経費にできません。

賃貸住宅と自宅が兼用になっている場合などは、建物面積か使用割合に基づいて按分し、賃貸部分にかかった費用のみが経費の対象になります。また、ローン返済額のうち、元本に相当する部分も経費にはなりません。

減価償却費を工夫してもっと節税を

節税対策として経費を考えたとき、もっとも工夫の余地があるのは減価償却費です。税法では「鉄筋コンクリート(RC)47年」「重量鉄骨34年」「木造22年」と減価償却費を計算するために建物の構造ごとの耐用年数が決められています。

なお、法定耐用年数を過ぎた物件については「耐用年数=法定耐用年数×20%」で計算します。

同じ価格の建物の場合、1年の減価償却費は「木造」→「重量鉄骨」→「コンクリート(RC)」の順で大きくなっていきます。

経費計上という点でみれば、木造の、それも耐用年数を過ぎた物件が一番お得となります。ただ、そのような物件は担保価値が低い場合が多いので銀行から融資が受けにくい、または売却のときに買い手がつかないというデメリットがあります。

所有物件が増えたら法人化でさらなる節税も

個人でアパート経営をされている方である程度の規模の物件を所有している場合、不動産管理の会社を立ち上げて法人化すると、さらに節税できます。ポイントは個人と法人の所得税率の差にあります。

個人の場合、年収695万~900万円の所得税の税率は23%で、900万~1,800万円だと33%、1,800万~4,000万円なら40%にもなります。

一方で、法人の場合は2016年度の税制改正で基本税率が23.4%となりました。さらに、800万円以下の中小法人には15%の軽減税率が適用されます。

個人所得税は年々引き上げられますが、法人税は引き下げになっていく傾向にあるため、法人化したほうがお得だといわれるのです。また、法人化した場合は、家族を役員にして不動産収入を給与として分配できる、経費計上の範囲が広くなるといったメリットもあります。

経費をコントロールし節税対策をしっかり行うことで、アパート経営を成功に導けます。地道に経費の見直しをするように心がけましょう。

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