
多くの人たちが最低限必要と思う設備のないアパートは、当然ながら入居者集めに苦労します。逆にあれば助かると感じる設備がついていれば、多少高い賃料を支払ってでも入居したいという人が増えます。アパート経営で失敗しないためには、こうした入居者のニーズを把握することも大切です。
男性はインターネット、女性はセキュリティを重視
不動産情報サービスのアットホームが2015年1~2月に全国345の不動産店を対象に行ったインターネットリサーチ「プロのオススメする20~30代単身者向け住宅設備ランキング!」の結果は、以下の通りです。

ここにランクインしている項目は、他の調査でも人気の高い設備として挙げられているものばかりです。ただ、このランキングには絶対に必要な「必須設備」と、あれば助かる「付加価値設備」が混在しているため、注意が必要です。
男性と女性を比べると、トップ10のうち7項目は一致していますが、男性の4位:宅配BOX、6位:エアコン、9位:追い炊き機能バスは女性ではランクインしていません。一方で女性の1位:モニター付きインターホン、セキュリティ関連設備、オートロックは男性のトップ10にはありません。
一般的に男性は女性よりセキュリティを重視しないため、モニター付きインターホンがなくても構わないものの、インターネット回線は必須と思う人が多いと想定されます。一方で女性はセキュリティを大切にするため、多少不便でも安心して生活できる物件を好む傾向が強いと考えられます。
アパート経営を成功させるためには、性別や世帯構成などターゲットとなる入居者の特性に応じ、設備投資の優先順位をつけることが重要です。
長期的な視点で人気を予測することも重要
男性向け、女性向けに共通する特徴として、独立洗面台、シャンプードレッサー、システムキッチン、温水洗浄便座、浴室乾燥機、室内物干し、ウォークインクローゼットなど「水回り」と「収納」に関する設備を重視する傾向がみられます。こうした設備の中には、簡単なリノベーションで追加することが困難なものもある点に注意が必要です。
インターネットなど技術革新により20年、30年前には考えられなかったものが標準的な設備になることもありますが、入居者のライフスタイルや社会環境の変化に伴いニーズが変わる設備もあります。
1970年代頃まで畳は当然求められる設備でしたが、今はフローリングが一般的です。クローゼットなどの収納も、昔は入居者がタンスなどを持ち込むことを想定していましたが、今は可能な限り備え付けの収納スペースを利用したいと考える人が多数派です。セキュリティ、プライバシー、子育て関連の設備に対するニーズも変わってきています。
アパートを建設する際には、時代とともに入居者のニーズが変化することを前提に、長期的な視点からリノベーション計画を検討することが大切です。
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