これで完璧! 不動産投資の節税対策

(写真=Gustavo Frazao/Shutterstock.com)

少し前のアパート・マンション経営は、主に地主等が相続税対策や固定資産税対策のためにアパートやマンションを建築し、ローン返済ができて管理費用がまかなえればよしとするケースが主流でした。このような収益を軽視した結果が、空室の増加につながったのかもしれません。

そもそも、経営とは資金と人材を投入して収益をあげるものです。そして、収益をあげるのと同じくらい節税を重視すれば、お金が手元に残ります。不動産投資にはどのような費用と税金がかかり、どのように節税ができるのでしょうか。

不動産投資にかかる費用

不動産収入を得るために必要な費用は、不動産所得の必要経費として計上できます。一般的に不動産投資において認められている経費は、租税公課(土地・建物に対する固定資産税・都市計画税、事業税、収入印紙など)、修繕費、損害保険料、管理費(マンション管理会社への管理費、不動産会社への管理手数料など)、広告宣伝費、税理士・弁護士への報酬、減価償却費、共有部分の水道光熱費、借入金利息、消耗品費、交通費、通信費、新聞図書費、接待交際費などです。

一方、必要経費として認められないものは、所得税・住民税、借入金の元本返済部分です。また、当然ですが、自宅にかかる経費など事業に関連しない支出は認められません。

不動産投資にかかる税金

不動産投資にかかる税金は、大きく分けると3つあります。「アパートやマンションの建築・購入時の税金(不動産取得税・登録免許税など)」、「毎年費用に計上できる上記の租税公課(固定資産税など)」、「毎年不動産所得にかかる所得税」です。

従来から注目されていた税金は固定資産税と相続税ですが、収益を重視するアパート・マンション経営で注目すべきは、収益が多くなると跳ね上がる所得税です。所得税の税率は累進課税方式のため、所得が多くなるほど税率が高くなります。

サラリーマン大家の場合は、給与所得と不動産所得の合計に対しての税率となるので注意が必要です。さらにこの所得税に応じて住民税が課税され、事業として行っている場合は事業税も課税されます。また、所得に応じて増える国民健康保険は各種控除が適用されなくなったため、年間上限金額89万円(東京23区の場合)も他人事ではありません。

不動産投資の節税方法

不動産所得の所得税額は「(総収入金額-必要経費-控除)×税率」ですから、節税には3つの方法があります。経費を増やすこと、控除を増やすこと、税率を下げることです。

1. 経費を増やす
経費の証拠として不動産事業に関する領収書は必ずもらい、経費を漏れなく計上することが基本です。余計な物を購入するのは本末転倒です。なお、電車代・自動販売機での購入代金・香典代など領収書が貰えない費用も「出金伝票」を切ることで計上することが可能です。

2. 控除を増やす
最高65万円の青色申告特別控除や最高84万円の小規模企業共済等掛金控除などがあります。

3. 税率を下げる
所得の分散が必要です。アパート経営に従事する家族への適正な給料、法人化や家族への役員報酬などで所得を分散すれば税率を低く抑えられます。仕組みを作ると毎年の節税につながります。

節税対策の注意点

アパート・マンション経営を順調に継続するためには、収益に無頓着な姿勢は論外ですが、自宅費用など不適切な家事関連費を税務調査で指摘されて重加算税をうけるのは得策ではありません。正しい税務知識を持ち、しっかりと節税を行うことが大切です。

国税庁ホームページのタックスアンサーの活用をはじめ、アパート・マンション経営を熟知した税理士や不動産会社などに相談して仕組みを構築するなど、収益を増やす努力と同様に積極的に節税対策を行うことが賢明です。

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