
人口減少や住宅の供給過剰などの社会的背景に加え、セキュリティーや住まいへのこだわりの高まりなど、賃貸アパートの入居者の意識も変化しています。このため、オーナーも従来の意識のままでは賃貸アパートの入居付けは年々厳しくなっています。
このような状況で入居率を高めるためには、単純に競合他者よりも頭一つ抜けることができればいいのです。そのためにやっておきたい大事なポイントを紹介します。
部屋のデザインにこだわろう
最近、主張のある外観や内装のデザインなど、個性的なコンセプトが特徴のデザイナーズ賃貸が知られるようになってきました。テレビのバラエティー番組でも、入居者の利便性が追求されていて、オシャレな賃貸物件を紹介するコーナーが人気です。
テレビCMでも有名なある賃貸業者は、壁紙を無料で100種類から選べるのはもちろん、壁にペンキを塗ったり棚を自由に取り付けたりするなど、これまでの賃貸物件では考えられなかった部屋のアレンジを可能にしました。自社サイトでは壁紙を選んで、どんな雰囲気になるのかシミュレーションできます。また、サイトで紹介しているさまざまなDIYのパターンから、部屋作りの参考にすることもできます。
これは、昨今の「SNS映えする写真を撮りたい」という若い女性のニーズに応えたものでしょう。また、「モノ消費からコト消費へ」と言われるように、最近では消費者の関心がハコ物の豪華さより、その中でいかに充実した生活ができるかを重視することにシフトしているようです。
賃貸では、これまで室内に傷をつけたり設備を移動させたりすると、原状回復のために多額の費用を請求されることが普通でした。ここにある程度の自由さを認めれば他の物件と大きく差別化できるでしょう。
価格コントロールは家賃以外が効果的
賃貸物件の入居者にとって、最も重視するポイントは月額家賃ではないでしょうか。家賃しだいで生活レベルが変わってきますから、ここでアドバンテージがあると部屋を探している人には大きな訴求力となります。
ただし、なにも無理に家賃を下げるだけが効果的な方法ではありません。敷金や礼金を当たり前のように「家賃2ヵ月分」のように設定していることを見直してみるのはいかがでしょうか。
一般の消費者にとって、住宅を借りるのに敷金や礼金を用意するのは実に大きな出費であるうえ、礼金などそのままオーナーの収入となるため、支払うことに対してもイマイチ納得感が持てないのです。ここを割り引いたり、無料にしたりなどしてくれると、入居者は非常にありがたく感じ、選んでくれるポイントとなります。
この他、1ヵ月のフリーレントが最近は増えており、家具購入などで出費がかさむ入居したての時期にとても助かります。価格での差別化はこのように、どうすれば入居者のメリットが大きくなるかを考えると効果的といえます。
仲介業者にフレンドリーに
仲介業者との関係も大事です。仲介業者は時間を取って入居者を案内するわけですから、一発で気に入って決めてもらえるような物件の方がありがたいのです。
立地条件や設備、築年数など物件のスペックと家賃のバランスが取れていること、コストパフォーマンスがいいことはいうまでもないのですが、大きな決め手は清潔感です。廊下や階段の清掃は行き届いているか、ゴミ集積所は荒れてないか、郵便ポストや駐輪場は整理整頓されているかなど、改めて確認しましょう。
買って悩む前に
これまで述べてきたように、投資物件の購入後に客付けについて知恵を絞ることも大切ですが、エリアや購入金額など本人の努力だけではどうにもならないことも多いです。そのため後で困らないように、物件はきちんと精査して選ぶことが必要といえるでしょう。
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