
アパート経営で最も大きな懸念材料となるのが空室率です。収益は、ここに大きく依存していると言っても過言ではありません。アパート経営の成功は、空室率をいかに低く抑えるかにかかっているのです。
この記事では、空室のリスクや対策方法について紹介しています。空室対策に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
アパート経営における空室のリスク
アパート経営では、家賃収入からローン返済の大部分が賄われていることがほとんどです。空室が出てしまうと、その分の家賃収入はなくなってしまいます。さらに、空室の期間が長引いたり多くの部屋が空室になってしまったりすると、当初見込んでいた収入が得られずローン返済に支障をきたし、投資計画の見直しを迫られることになるでしょう。
空室率が大きくなることは収入の減少をもたらし、ひいてはアパート経営の破たんにつながるリスクすらも含んでいるのです。
アパート経営の空室率の実態
賃貸アパートにおける現在の空室率の実態は、どのようになっているのでしょうか。空室率は2015年半ばから上昇の一途をたどっており、首都圏の例で言うと神奈川県で35%超、千葉県や東京23区でも34%という非常に高い水準となっているようです。
空室率上昇の背景には「相続税対策のための新築アパートの供給過剰」が一因であるといわれています。2015年1月以降相続税制改正が行われたことにより、特に地主等を中心に相続時の節税効果を狙ったアパートの建築が急増しました。相続財産評価は現金よりも不動産の方が30%ほど低く、かつ賃貸に貸し出すことによってさらに20〜30%ほど抑えることができるからです。
結果、地主等の資産家たちが、実際に賃貸経営がうまくいくかどうかを精査せずに、相続税対策のみを考え需要の少ないところにアパートを建ててしてしまっているという現状があるのです。
アパート経営で空室を回避する方法
空室のリスクがあり、かつ空室率が上昇傾向にある中で、無策のままアパート経営を続けていては、いずれアパートを手放す事態になってしまいます。そうならないよう、空室を回避する方法を考えなければなりません。
ここでは、具体的な空室対策を4つ紹介します。
1. 周辺の家賃相場との確認
当然のことながら周辺の類似物件より条件が悪いままでは入居者が集まることはありません。家賃や敷金・礼金が適正であるか確認しておきましょう。
2. 客付けが得意な管理会社と契約する
不動産管理会社も玉石混交で得意分野もそれぞれ異なります。空室率を低く維持するためには、早期入居者付けを得意としている会社を選ぶことが大切です。
もちろん入居率が高い管理会社を選択するのですが、この時に注意しなければならないことがあります。入居率には適切な計算方法があり、これに沿った数値を出している会社を選ぶようにしましょう。
【1 - 空室数 ÷ 管理戸数 × 100】
空室を「入居者退去から1ヵ月経過後」からカウントしているような管理会社は選ばないのが賢明です。また、空室期間やその詳細を提示してくれない管理会社にも注意する必要があるでしょう。
3. 内見者数を増やす施策を打つ
内見後の成約率は新築・築浅物件で3割程度、築古物件で1割前後と言われています。特に築古物件の場合は内見者数を増やしていかなければ、成約まではなかなか到達しないと言えます。
内見希望は土日に集中しますので、管理会社などに金曜日までに物件の案内をお願いして集客アップを図ったり、月曜日に問い合わせがあったかどうかの確認をしてみたりするのも良いかもしれません。また、内見後に不成約になってしまった場合の原因を分析し、対策を検討するのも効果的でしょう。
4. 設備の見直しをする
簡単にできる設備の見直しで成約に至るケースも多々あります。防犯カメラの設置やインターネットの無料提供、温水洗浄便座の設置、冷蔵庫をはじめとする簡易家具を充実させることなども効果が見られます。
さほど手間や資金をかけずにできることも多くありますので、労力を惜しまず空室率を下げる対策を講じることをお勧めします。
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