
一昔前、大家さんの多くは土地持ちの資産家でした。しかし今では、土地を持っていない普通のサラリーマン、たとえば会社員や公務員でも、―大家さんになれる時代です。今回は、サラリーマンが大家を始める際に必要な頭金や家賃収入についてご紹介します。
サラリーマン大家とは?そのメリットは?
土地持ちの資産家による大家業と違って、サラリーマン大家は土地および建物のほとんどにローンを組んで収益物件を運用する不動産投資家です。ローンを組むことにより、少ない資金で大きな利益を得られるレバレッジ効果を活用した投資をするのが「サラリーマン大家」なのです。
比較的安定した給与所得のあるサラリーマンは、金融機関から融資を受ける際、審査のハードルが低くなるというメリットがあります。収益物件からの家賃収入とは別に給与所得があるので、融資担当者が「(返してもらえなくなるという)リスクが低い」と判断するからです。
若いうちにサラリーマン大家を始めておけば、定年になる頃にはローンを完済し、無借金の収益資産になるうえ、家賃収入を丸ごと私的年金として手にすることができます。収益物件は貸家建付地という扱いになり、相続税の評価額が減額されるので相続時の節税にもなります。
サラリーマン大家を始めるのに適した年齢と年収は?
定年後の生活を年金と家賃収入でまかなうには、給与所得があるうちにローンを完済する資金計画を立てる必要があります。20年ローンで60歳の定年時にローンを完済するには、遅くとも40歳で始めなければなりません。もし収益物件を増やしていきたいのなら、30代には始めておくべきでしょう。
一般的な収益物件はマンションの区分所有またはマンションやアパートの1棟所有です。このうち融資を受けやすいのは、金融機関評価の高い土地が付いている1棟所有のマンションやアパートです。収入の目安になる利回りも、1棟物のほうが高い傾向があります。
東京23区における平均的な利回りは5~7%程度、地方都市では7〜10%程度の利回りといわれています(2016年11月現在)。しかし利回り以上に重要なのが入居率で、入居率が低いと利回りは“絵に描いた餅”になってしまいます。
東京23区で5,000万円の物件の場合、年利回り5%だと250万円の家賃収入、入居率90%であれば225万円、80%だと200万円の家賃収入になります。
東京と比べて物件価格の安い地方都市で3,000万円の物件だと、年利回り10%で300万円の家賃収入になり、入居率が90%なら270万円、80%でも240万円の家賃収入となります。
一見するとサラリーマンの平均的な年収の5割前後の額ですが、この家賃収入からローン返済金と固定資産税、管理費、修繕費などの経費を引いた額が実質的な年収になります。
いくら利回りが良い物件でも、入居率が低いと収入が経費を下回って赤字になる恐れがあります。そういう事態を避けるには、利回りだけではなく、入居率を注視した物件選びが重要になります。
頭金ゼロでも始められる?
仮に30代でサラリーマン大家を始めるとなると、ローンを組む際の頭金が用意できるかが問題になります。30代でも、全額融資のフルローン、頭金ゼロで物件を購入することは可能ですが、注意すべき点は融資を受ける際の金利です。
なぜならマイホームの住宅ローンの借入れ金利に比べて、不動産投資用の借入れ金利は高めだからです。借入れ金利が高ければ返済額が膨らみ、その分だけキャッシュフローが減ってしまいます。
借入れ金利は金融機関によって、また収益物件によっても変わります。金融機関はリスクの高さを計算して金利を設定します。入居者が簡単につきそうな優良な物件と思えば、リスクが低いと判断し、低い金利で融資してくれる可能性があるのです。低金利でローンを組むためには、入居率が高くなりそうな物件を選ぶことが必須です。
過去に優良物件を提供した実績がある不動産業者は、提携している金融機関の信用度が高いので、低金利の融資を引き出せる可能性があります。不動産経営をスムーズに始めるためには、いい物件を紹介でき、金融機関からいい融資条件を引き出せる不動産会社をパートナーとすることが欠かせません。
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