
サラリーマン大家とは、サラリーマンとして会社勤めをしながら、アパートなどの収益物件を所有して賃貸経営を行う人のことをいいます。すなわち、サラリーマンが副業で大家業を営むということです。サラリーマン大家が成功するためには、何に気を付ければ良いのでしょうか。また、どのようなリスクがあるのでしょうか。
サラリーマンの大家は増えているのか?
2013年4月に日本銀行による大規模金融緩和が始まり金利の低下傾向も続いているため、金融機関の貸し出し姿勢は2009〜2012年のリーマンショック後と比較すると大変積極的な状況になっています。金融機関としても貸出先不足の中で、個人であっても貸出金額が大きくなる不動産取得の融資へは資金を振り向けざるを得ない状況ともいえるでしょう。
一方、サラリーマン側としても公的年金制度に対する不安があり、老後などの将来に向けた資産形成に加え、私的年金効果もある不動産投資がひとつのアセットとして注目を集めています。
このように資金調達環境の改善や将来の公的年金不安という要素もあいまって、不動産投資に興味を持つサラリーマンが増えているようです。その結果、サラリーマン大家は増加を続けており、彼らはリスクコントロールを着実に行いながら賃貸経営に成功しているという声が多く聞かれます。
サラリーマンが賃貸経営することのメリット
サラリーマン大家による賃貸経営には、主に下記のようなメリットがあります。
まず、金融機関に対する信用力の高さが挙げられます。ローンの返済原資の中心は賃貸収入等の不動産所得ですが、サラリーマンは不動産所得以外にも本業からの給与所得があるため、返済に対する信用力が認められ、有利な条件で融資が受けられるのです。
不動産の賃貸経営は信頼できる不動産管理会社に委託することで、株式や為替取引のように常に市場の動向に注意を払うような必要もなく、本業であるサラリーマンとしての仕事にほとんど影響を与えないようにすることができます。
確定申告では、不動産の賃貸経営が赤字となった場合に、不動産賃貸による赤字を給与所得から控除することができます。損益通算と呼ばれるこの仕組みによって、源泉徴収済みの所得税の還付を受けられ、税金対策効果が得られるのです。
サラリーマンが賃貸経営するリスクと注意点
サラリーマン大家が賃貸経営にかけられる時間は、専業大家と比べて圧倒的に少なくなります。したがって、サラリーマン大家の成功に向けた投資スタイルは、転売によって利益を得るキャピタルゲインではなく、賃貸経営による安定した賃貸収入=インカムゲインを重視するスタイルとなります。このような投資スタイルにおけるリスクと注意点には下記のものが挙げられます。
サラリーマン大家は賃貸収入からローンの返済が出来なければ、自分の給与から持ち出しをして返済を行わなければなりません。したがって、賃貸経営成功のためには空室リスクに最も注意を払わなければいけません。このため、長期にわたって賃貸需要が継続するエリアに物件を所有することが必要になります。
例えば、大学や工場などによってのみ賃貸需要が創出される特定の地域ではなく、大都市等の利便性の高いエリアでさまざまな賃貸需要が見込まれる物件を選ぶことがおすすめです。なぜなら、万が一大学や工場が移転してしまうと一気に賃貸需要が減ってしまい、賃貸経営を安定して続けていくことが難しくなるからです。
次に不動産管理会社の選択が重要です。空室リスクや賃料の変動リスクなどは、信頼できる不動産管理会社に委託をすることで、一定のリスクヘッジが図れます。
このように、サラリーマン大家では賃貸物件の管理に時間をかけることが出来ないため、費用が発生してでも管理会社に委託することをおすすめします。この費用を削減するために自分で管理をしようとすると、空室率が上がってしまい、入居者からのクレームなどの対応にも遅れが生じ、結果的に投資の失敗ということになりかねません。
サラリーマン大家の交流会活用
サラリーマン大家の増加により、オフ会である交流会が盛んに行われるようになってきています。サラリーマン大家をしていることは、会社の中ではなかなか言いにくいという方も多いでしょう。
サラリーマン大家の交流会であれば、初心者から既にサラリーマン大家として成功している人まで、さまざまな方と意見交換できますし、何より良い刺激を受けられます。実際に賃貸経営を行っている人から得られる知識や情報は大変貴重なものですから、このような交流会があれば積極的に活用し、賃貸経営成功のための情報収集をされることをおすすめします。
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