賃貸経営でローンを活用するときの注意ポイント

(写真=Roman Motizov/Shutterstock.com)

今日、アパートやマンションの区分所有および1棟丸ごとに投資をする不動産投資が人気上昇中です。日銀が2016年11月17日に発表した国内銀行の貸出先別貸出金調査では、2016年7~9月期の個人による貸家業への新規貸出額は1兆692億円と過去最高水準で、全貸出額の9%に迫る割合となっています。

少ない自己資金からでも、ローンを活用することで将来の資産を得ることができ、毎月の定期収入をあげることも可能なのが人気の要因といえるでしょう。

サラリーマンや公務員の副業として、また老後の私的年金代わりとして、今後も注目の投資といえるのではないでしょうか。

賃貸経営におけるローンとは

不動産は高額なものです。マンションなどの1部屋に投資をする場合でも最低数百万円の資金が必要ですし、マンションを1棟丸ごとの購入ということであれば、億円単位の資金が必要となります。そのため、多くの人は金融機関からの融資を利用して不動産投資を行います。購入する不動産を担保にできること、その不動産から賃料収入を得てローンを支払う事業計画が成り立つという2つの理由から、自己資金が少なくても融資を受け易くなるのです。

サラリーマンや公務員などの定期的な収入がある場合は、審査の際に有利に働くことが多いようです。この融資は一般にアパートローン(または不動産投資ローンなど)という商品名で銀行などの金融機関で取り扱われており、自分の居住のために融資を受ける住宅ローンとは区別されています。

ローンの返済方法、返済計画

アパートローンは、購入する不動産から得られる賃料によって返済計画を立てることになります。アパートローンの返済方法や返済期間は、金融機関によって詳細は異なりますが、通常は元利均等払いか元金均等払いを選択して支払うことになります。ボーナス併用払いはないのが一般的です(毎月の賃料収入にボーナスは期待できないため)。

また金利は変動と固定のどちらか、もしくは併用を選ぶことになります。返済期間は1~35年の規定となっていることが多いようですが、購入する不動産の耐用年数や、融資を受ける本人の年齢によって制限される場合もあるので注意しましょう。

購入する不動産から得られる賃料収入に見合った返済金額と期間を設定することが、無理のない返済計画に繋がります。

ローンを活用するためのポイント

アパートローンを利用する際のポイントは、どういった不動産を購入するかという点に絞られます。つまり、安定した賃料収入が見込める物件か、かつ担保価値のある物件かどうかということになります。

担保価値のある物件というのは、不動産として土地・建物に資産価値を求めることが可能な物件ということです。土地に関していえば、東京などの都心部、地方では政令指定都市や道府県庁所在地などは比較的資産価値が見込め、値下がりリスクが少ない立地であると考えられます。

建物でいうなら担保価値の観点では新築物件がよいようです。金融機関による中古物件の査定は厳しめになりやすく、木造の物件で築20年を過ぎれば評価がほとんどつかないということは珍しくありません。

賃料収入が見込めるということは、まず空室になることが少ない物件であるかどうかが重要です。入居の決め手はやはり「立地と設備」です。現在の入居希望者のニーズにあった物件でなければ、賃貸経営は成り立ちません。駅から近く、生活に便利な施設が周りにあり、治安がよいなどの好立地条件は非常に重要です。また、セキュリティーの有無、バス・トイレ別、洗濯乾燥機などの設備を備えているか、デザイナーズマンションであるかどうかなどの人気要素も物件に求められます。

資産価値と賃料収入、この2点を兼ね備えた物件を見つけることが、賃貸経営でローンに失敗しないコツといえるでしょう。

不動産会社を活用しよう

不動産投資の対象物件を探すためには、不動産会社に依頼する必要があります。その際には、不動産投資専門の会社を利用することも考えてみてはいかがでしょうか。

投資専門の不動産会社は、金融機関との提携ローンを自社で用意していることが多いです。金利や融資金額についても優遇措置を設けていることがあります。また、どんな物件が不動産投資として成功しやすいかも、豊富な実例とともに紹介してくれるでしょう。資産価値対策や、空室対策などのノウハウもあります。

物件だけの相談ではなく、ローンの活用についてもきっと有益なアドバイスを得ることができるでしょう。

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