もし大家になってみるなら?!アパート経営の契約から管理まで #2(契約編)

(写真=VGstockstudio/Shutterstock.com)

前回は、物件選定についてお話ししました。購入物件を決めたら、次は契約です。いよいよアパートオーナーになる日が近づいてきました。今回は契約の詳細をみてみましょう。

建築関係の契約

1. 売買契約
2. 建築工事請負契約

「サラリーマン向け新築アパート投資法」では土地からの購入になるため、その売買契約があります。建築に関しては、販売元で工事着工したうえでオーナーを募集する場合と、設計プランで募集しオーナーが工事発注する場合があります。後者では、建築工事請負契約を締結します。

販売元はしっかりした会社が多く、契約書や建築図書も詳細です。建築関係は国交省の指導もあり、業界標準も確立しているので内容についてはそれほど気にすることはありません。金額面や支払い条件の理解に注力しましょう。契約に含まれるもの含まれないものを確認し、資金繰りを検討しておきます。

一般的に工事代金に含まれないものは、市町村単位で発生する水道加入金や地鎮祭、上棟式の費用などです。祭事を行うかは、オーナーの自由となります。

工事が長期に渡るため、支払いは3~4分割になります。
・ 契約時あるいは工事着工時
・ 中間金
・ 物件引渡し時

契約書自体よりも、大事なのは建築図書や付属資料、各領収書などをきちんと保管することです。必要になった時にすぐに取り出せるようにしておきましょう。

将来、建設図書などが必要なケースも出てきます。
・ 設計図面  …老朽化に伴う建物や設備の修繕時に必要となります。
・ 検査済み証 …完成後、建築基準関連規定に適合していることを証明する書類です。再発行できないので紛失には注意しましょう。売却時に提示を求められることがあります。

売却後の納税には、取得時の価格が必要になります。取得原価には諸経費も含めることができるので、各領収書もきちんと保管しておきましょう。

アパートの賃貸管理の契約

「サラリーマン向け新築アパート投資法」では、販売会社が管理付きで販売している場合と、提携先の管理会社を紹介してくれる場合があります。

3. 賃貸管理契約
販売会社の関連であっても、紹介を受けた管理会社であっても、最初にチェックするのは解約条件です。どのような時に管理契約を解除し、管理会社を変えることができるのかが重要となります。オーナーの最後の手段は管理変更と覚えておきましょう。

アパート取得後の賃貸経営の要ともいえるのが、管理会社のスキルです。良い管理会社をパートナーに選ぶことが成功の必須条件となります。

その次は支払いの確認です。管理会社が立て替えるもの、オーナー払いのもの、その区別を確認します。直接支払いがあれば、支払い業務が発生します。保守契約などがセットされている場合は、オーナーの修繕負担範囲は念入りに確認したいものです。退去時の修繕費のうちオーナー分はどの部分なのか、老朽化に伴う修繕はどこまでが保守範囲なのか、よく確認しましょう。

その他のオプション契約として覚えておくべきことは2つあります。

● 空室保証
保証料を支払うことで、一定の家賃が保証される仕組みです。将来の入居率が不安な場合に検討します。

● サブリース契約(一括借上げ)
管理会社が一棟丸ごと借り上げて、空室の有無にかかわらず一定額がオーナーに入金されます。退去時の修繕費も発生しませんが、手数料は必要です。長期のサブリース契約でも、家賃査定には別に更新サイクルが定められています。何年毎の査定なのか、把握しておきましょう。サブリースは労力がかからず多忙なサラリーマンにはありがたい契約ですが、収益性が落ちることは理解したうえで契約しましょう。将来の家賃下落予想で、ローンの返済額とのバランスが取れていれば安心です。

さあ契約が終わりました。ただ、融資審査が通るまでは気を抜いてはいけません。次は金融機関に融資を申し込みます。

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【もし大家になってみるなら?!】シリーズ
もし大家になってみるなら?!アパート経営の契約から管理まで #1(物件決定編)
もし大家になってみるなら?!アパート経営の契約から管理まで #3(審査編)
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もし大家になってみるなら?!アパート経営の契約から管理まで #5(入居者募集編)
もし大家になってみるなら?!アパート経営の契約から管理まで #6(収入編)
もし大家になってみるなら?!アパート経営の契約から管理まで #7(経費・節税編)
もし大家になってみるなら?!アパート経営の契約から管理まで #8(管理編)
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