
アパートなどの不動産を経営しているのは、何も専業の大家さん、不動産投資家だけではありません。民間企業のサラリーマンや公務員でも、大家になることは可能です。今回は、サラリーマンや公務員が大家業で成功するための条件についてご案内します。
サラリーマンや公務員が「副業」で不動産経営するのは違法か?
民間企業では一般的に、就業規則で副業やアルバイトにおけるルールが定められています。そこで副業を禁止している企業も珍しくありません。
しかし民法や労働基準法には、複数の会社と雇用契約を結ぶことや、社員が事業をすることを禁止する規定はありません。就業規則はあくまでも雇用契約で定めた勤務に対するルールであり、社員のプライベートな時間を拘束することはできないのです。
ただし、副業が本業と競合する、または著しく会社の利益を損なうなど、本来の業務に支障があることが明確になると解雇の対象になる可能性があります。
一方、公務員はというと、国家公務員法、地方公務員法で副業(本業以外の事業をすること)が禁止されています。国家公務員の場合、不動産事業に関する「人事院規則14-8」で示された基準があり、その範囲内であれば事業とみなされず副業禁止の規定に該当しないという解釈ができます。地方公務員については、これとは別に各自治体で独自の規定があるので確認が必要です。
ここで注意すべきなのは、規定違反には該当しないが、だからといって基準の範囲なら自由に副業しても良いとは明記されていない点です。内緒で大家業をしているのが発覚すると、何のおとがめもなく済まされるとは限りません。公務員には「職務専念」という原則があり、これに支障があると判断されれば、人事院が示した基準の範囲であっても副業禁止の規定違反になる可能性があります。公務員が大家業で成功するためは、「職務専念」に支障をきたさないことが条件になります。
公務員の「副業」にあたらないための条件
先に述べた「人事院規則14-8」で示された基準の概略は以下のとおりで、国家公務員の場合はこの範囲未満であれば事業とはみなされません。
・独立家屋(一戸建て)は5棟以上
・独立家屋以外の建物(貸与することができる独立的に区画された一の部分の数)は10室以上
・土地の賃貸は、賃貸契約件数が10件以上
・賃料収入の合計額が年500万円以上
民間企業で、就業規定で副業が許可制であれば、大家業をする旨を申告しておくべきでしょう。副業が全面禁止されている場合、法的にはそれが違法であるとはいえ、発覚した際に人事考課に悪影響を及ぼす可能性があります。
公務員に不動産投資をすすめる理由
不動産投資をする際に、厳しい条件の融資を受け入れて始める人は少なくないです。
しかし、社会的な信用度が高く、身分が保証され、収入が安定している公務員は、金融機関も融資先として優遇してくれます。公務員であることは、不動産投資をする上で大きなアドバンテージといえます。融資枠や期間、金利面などで好条件の融資でスタートできる可能性があります。融資枠が大きければ、より多くのレバレッジ効果が見込め、金利が安ければ返済額が減ってキャッシュフローが増えることになります。
大家として成功するための条件
大家業を始めるには、物件選びから融資に関する手続きなど、さまざまなプロセスがあります。成功のためには、立地や周辺環境、建物の質などが重要ですが、大変なのは物件を購入した後です。家賃の集金や各種メンテナンス、入居者や近隣住人からのクレーム対応などの業務があり、これを大家が自分でするのはかなりの負担です。
“副業”としての大家業で成功するには、“本業”に支障をきたさないことが欠かせません。物件取得から入居者募集、その後の管理業務に関する経験と実績があり、ワンストップでフォローしてくれる不動産会社をパートナーに選ぶことこそが、副業として不動産経営を成功させる条件と言えるのではないでしょうか。
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