
賃貸経営は、専門的な知識やノウハウがないと難しいと思われがちですが、利回りの意味を理解すれば初心者でも投資判断を下せるものです。
ここでは、初心者でもわかりやすい利回りの計算方法を紹介します。
賃貸経営における利回りとは
賃貸経営を行ううえで覚えておくべき利回りは、2種類あります。
● 表面利回り
賃料など1年間の想定収入を物件価格で割ったものです。収益性を簡単に把握できるため基礎的な指標として利用されています。
表面利回り=年間収入÷物件購入価格×100
ここで重要なのは、想定収入の内訳をきちんと把握することです。収入の最大の柱は賃料ですが、この他にも管理料、礼金、更新料、駐車場使用料、敷金運用益、敷金取立益(敷金のうち返還しなかった金額)などがあります。
● 実質利回り
想定収入から管理委託費、固定資産税、都市計画税、借入金利息など支払額がほぼ決まっている予定費用を控除した粗利益を物件価格で割ったものです。
実質利回り=粗利益(年間収入-経費)÷物件購入価格×100
粗利益の基となる想定収入は、実質利回りの算定に用いるものと同じです。経費には管理委託費、少額修繕費、火災保険料、固定資産税、都市計画税、借入金返済、仲介手数料、広告宣伝費、修繕積立金などがあります。
投資に対するリターンを把握するうえでは、一般的にコストを織り込んだ実質利回りの方が適しているといえます。ただし、空室率の変動による賃料増減、賃料単価の改定、大規模修繕費(積立金)の増加など、不確実性の高い要素を反映せずに実質利回りを算定するケースも多いため、粗利益の内訳をきちんと把握して評価することが大切です。
より精度を高めるために消費税、不動産取得税、仲介手数料など物件取得に要した初期費用を5年などの期間で按分し費用に含めることもあります。
高利回りには要注意
利回り10%と5%の物件を比較すれば直感的に10%の方がおトクなように思います。しかしそう単純ではありません。不動産にはさまざまなリスクがあります。空室率や賃料の変動など、日常の経済活動の中で顕現化する事象から、大規模災害に伴う損失などが考えられます。
一般的に投資利回りは、過去の実績でなく将来の予測を表しています。したがって「高利回り=高リスク=低価格」といえるでしょう。
プロの投資家は実質利回りを計算する際に空室率、貸倒率(賃料未回収率)、賃料単価の改定、支払利息の変動、修繕積立金の増加などより不確実性の高い要素も反映しています。それにより物件を探し出して投資しています。
一方、不動産投資の初心者が、精緻なリスク分析により割安物件を見つけることは難しいでしょう。賃貸経営に限らずあらゆる行動にリスクはつきものです。しかし、客観的な分析と明確な基準に基づいた投資判断ができれば、初心者でも大きな失敗を回避できるでしょう。
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